大正5年(1916)8月1日
高工新設候補地
文部省にては大正六年度に於いて新たに高等工業学校を増設すべく所要経費約十五万円を同年度予算に計上したるが右設置候補地として目下考究されつつあるのは金沢を第一に広島、横浜、東京の各地にして当該地方有史は何れも熱心に之が新設を希望し来たれるも文部省としては容易に決定し難き事情有り かたがた地方長官の報告を待って当該地方有志の意向並びに経費の割合等につき詳細調査中なりと
大正5年(1916)8月3日
●高工設置陳情
大正5年(1916)8月7日
●高工二校増設 広島と横浜に決定
高等工業学校一校増設に就いては文部省にては当初東京に設置の方針なりしも広島に次いで更に横浜、金沢等の運動あり。その条件として経費に於いて殆ど国庫の支出を要せざるに至りたあるを以て更に一校増設都合二校増設する事とし候補地としてはほぼ広島、横浜の二市に内定せりとの説あり
大正5年(1916)8月13日
●高工新設運動熾烈 ▽金沢、浜松の熱望
文部省にては大正六年度予算編成に当たり欧州戦争の影響及び日独戦争の結果に鑑み特に工業教育の振興を図る必要を認めて高等工業学校増設の方針を定めたるも事財政に関係あるより多く増設するゆるさず最初東京を中心として僅かに一校を増設する事に決したるがその後広島横浜等より校舎建設費及び敷地一切の創立費を寄付する条件にて熱心運動を開始すると同時に設置の申請を為し来たれるより右二カ所に限り設置することと内定し先に大蔵省に回付せる予算概算中その経費を計上したるが これに次いで金沢市及浜松市等も広島及横浜同様の条件にて是非共設置せんことを希望し金沢市にては代議士横山章氏等を中心として仕切りに運動を試み浜松市にては特に同市は近年静岡県の電気工業並びに染織等異常の発達を来たし
鉄道院の浜松工場等もありて工業教育の施設を要する事重大なるものなるに拘わらず名古屋高等工業学校のみにては生徒定員の関係上到底その需要を充たす能はずとの理由にて是亦この際是非とも設置したしとの希望を有し臨時議会を招集し学校敷地提供その他を可決して十二日取り敢えず書状を以て文部大臣に誓願し来たれり
これに対し文部省にては学校の増設は寧ろ進んで歓迎する所なるも経常費のみにて年々一校に付き十万円程度を要するを以て到底大蔵省にて応ぜざるべく金沢市及浜松市の希望を採用する事は困難なりと認め居れるが議会に於いては如上の各市関係代議士間にはそれぞれ我田引水の議論行はるべく文部予算中最も議論あるべく問題として目されつつあり
大正5年(1916)8月14日